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雨が降る [詩・詞]

雨が降る 雨が降る
夕べはしとしと 今夜はどしゃぶり
毎夜毎晩 雨が降る
閉ざした雨戸の向う側で
毎夜毎晩 雨が降る

しかし 翌朝 雨戸を開けると
雨の降った形跡など どこにも見当たらないのだ
庭の枯れ草も コンクリートも 花壇のレンガも
カラリと乾いたままなのだ
空は白群色に澄み渡り 風はそよぎ 雀がさえずる

けれど 夜になって 雨戸を閉ざすと
また今夜も 確かに必ず 降るに違いないのだ

雨が降る 雨が降る
夕べはしとしと 今夜はどしゃぶり
毎夜毎晩 雨が降る
閉ざした私の内側で
毎夜毎晩 雨が降る

雨が降る.jpg
タグ: 雨音
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 さいごの一口  [詩・詞]

 
   さいごの一口 どう飲もう
   さいごの一口 どう干そう

   ブラウンシュガーをたっぷり溶かし とろりゆるりと味わうか
   生クリームの輪を描き きゅっと一気にすするのか

   さいごの一口 どう飲もう
   最後の一口 どう干そう

   ほんとは私のコーヒーだもの 好きに飲んでもいいでしょう
   私のための一杯の筈 好きに干してもいいでしょう

   ここまで 苦さに口ゆがめ
   ブラックコーヒーこの喉に
   流し続けてきたのだからさ

ひとくち.jpg

タグ:コーヒー
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 やせこけた犬  [詩・詞]

魚の骨 さびた釘 鼻緒のちぎれた片方だけのビーチサンダル・・・・
やせこけた犬は そんな物らを前に座っていた
両前足に 守るように抱えながら
うすっぺらいガラスさながらの目玉を まばたきもさせずに

ある日
私は 朽ちた木片を 彼の前に差し出した
やけこけた犬は 尻尾を振って木片を咥えた
次の日
私は へこんだ空き缶を鼻先にかざした
彼はやはり 尻尾をちぎれんばかりに振り 空き缶を抱え 愛おしそうに舐めまわした

その次の日
私は 金彩の施された白磁皿にサーロインステーキを盛り 彼の前に立った
やせこけた犬は 目玉を動かしもしなかった
ステーキの皿を 目の前に突き出した
彼は 小さく「ううう・・・」と 威嚇した
鼻っ面にくっつけた
ガラスの目玉が歪みくぼみ 「わん!」と一声吠えるや 魚の骨らにうずもれるように 身を伏せた

私は嘲笑した

やせこけた犬は
清貧者でも 美徳者でも 強固な精神の持ち主でも何でもないのだった
ただ 己れがやせこけた犬であることを自認したくないだけなのだった

私はサーロインステーキをむしゃむしゃと食みながら やせこけた犬から遠ざかった
うすっぺらいガラスさながらの目玉が怨みがましく光ったまま 小さくなっていった 

やせこけた犬.jpg

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 浄化  [詩・詞]

庭の睡蓮鉢などに湧いたボウフラを駆除するには
灯油を流し込むのが一番なのだそうです
ボウフラは水面で呼吸をしているので 油の膜で呼吸を止めてしまえるのだそうです
その後の灯油はどう処理すればいいかというと
火をつけて さっと燃やしてしまえばいいのだそうです

さぁ! 汚らしいボウフラを 人をイライラさせるボウフラを 百害あって一利なしのボウフラを
この町から一掃しましょう!
そして 賢く 気高く 美しく 秩序正しい者だけの 平和な町を維持しましょう!

その前に ボウフラを つついて 叩いて 弄ぶことを忘れずに・・・・

ぼうふら.jpg

※この記事は、散文詩という虚構の文学作品でやす。 ボウフラの駆除方法については、各々の自己責任の元 安全に行ってくださいでやす。
タグ:ボウフラ
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 林檎・三  [詩・詞]

えぇ 放(ほか)してしまいましたよ 蛆虫の這い出してきた林檎を
日曜の深夜 安売りスーパーのナイロン袋にぶち込んで
不快さのたけをゴミ捨て場のコンクリートに叩きつけんばかりに 投げてきました

----もしも蛆虫が湧かなかったら いつまでも綺麗な林檎を見ていられたのに ですって?
いいぇ 
私は 蛆虫が湧く前から この林檎に飽き飽きしていたのですよ
だって
蛆虫が湧いたら 堂々と放(ほか)してしまえるじゃあないですか
蛆虫が這い出すまで林檎を飾り続けていたら 私がどれほど この林檎を大切に思っていたかという証しになるじゃあありませんか

ほんとうは
とうに前から 隣町で見つけたもっと綺麗な林檎を冷蔵庫に 用意していたのです

りんご.jpg

タグ:りんご
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 林檎・二 [詩・詞]

えぇ 這い出してきましたよ
出窓に飾り愉しんでいた林檎の向う側から 蛆虫が

----別段 憂いてなどいません
いつか這い出してくるだろうと思っていましたから

いえ ほんとうは 這い出してくるのを 今日か明日かと いらいらしながら待っていたのです
だから あえて 西日の射し込む出窓を じっとりと締め切っていたのです

這い出してきたら 林檎の綺麗なところだけを見ていたかったのに蛆虫を目の当たりにしてしまった不快さを露わにして
放(ほか)してしまうことができますからね

りんご3.jpg


 ※次回は「林檎・三」を公開しやす

タグ:りんご
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 林檎・一  [詩・詞]

えぇ 解っていますよ
この林檎の向う側半分に 蛆虫が湧いていることくらい
それを百も承知で 私は 林檎を出窓に飾り愉しんでいるのですよ

なに こちら側まで蛆虫が這い出してきたら
月曜の可燃ごみの日に 安売りスーパーのナイロン袋にぶち込んで 放(ほか)してしまえばいいだけの話です

ようは 林檎の綺麗なところだけを見ていられれば それでいいのです

りんご2.jpg


 ※次回は「林檎・二」を公開しやす
タグ:りんご
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 隠花植物  [詩・詞]

タンポポより スミレより サクラソウより ミモザより
私は隠花植物に惹かれる

ぬめりとした触感や
へにゃりとした傾ぎもさることながら
何より 私が隠花植物に惹きつけられる要因は
隠花植物には 己れは隠花植物であることが疎ましくてならない という匂が 隠せど隠せど匂い立つことにある
顕花植物へと終ぞ進化できなかった 悲しみ 憂い 失望 嫉妬 寂しさ 恨み が 胞子の一つ一つに充満し 寄る辺ない浮遊をし続けていることにある

私は 隠花植物の胞子を 肺いっぱいに味わう
愛おしさにむせかえり 涙しながら
隠花植物.jpg

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 飢餓との戦ひ  [詩・詞]

生きる」ということは 私には 精神の飢餓との戦いであるように思われてならない
ゼロの地点から 一歩一歩 歩を足し進めて 彷徨いながら 目指す何かを見い出すのではなく
巨大なスリバチ型の泥の底より 地上のゼロ地点に到達するために 死に物狂いで這い上がる行為だ と
----這い上がるためには 一つ また一つ 精神の飢餓を克服してゆくしかなく
その飢餓を克服する手段は 常に一つであり 
手段が何処にも見つけられなくとも 代用など 決してできはしないのだ

今 私は----
泥まみれの両手を下げて スリバチの淵に佇立している
もう 見知らぬ誰かがいたずらに投げた石に 頭蓋も身体も破壊されようと
かまわない
きが.jpg

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 子守り女のブルース  [詩・詞]

                                      作詞・ぼんぼちぼちぼち
                                      作曲・未定
                                      編曲・未定
俺が飲んだくれていたら 女が赤ん坊をおぶってやってきた
俺が飲んだくれていたら 女が赤ん坊をおぶってやってきた
女はすっとんきょうな声を立てて 赤ん坊をあやし始めた
いったい どうしちまったんだい?

俺は 女があんまり滑稽だったもんで ヘドを吐いた
俺は 最悪な気分になって ヘドを吐いた
お前は 厚化粧の唄うたいじゃなかったのかい?
なんてこったい!

俺はねぐらに帰っちまったけど 気づいているのさ
俺はねぐらに帰っちまったけど 解っているのさ
お前は 俺に誉め讃えてほしかったんだと
町一番の働き者だ この調子だよ!と

だがな そうは問屋がおろさねぇ
だがな そうは問屋がおろさねぇ
お前 俺の前でだけは 厚化粧の唄うたいでいておくれよ
俺の酔いがさめっちまうぜ お願いだ!

ブルース詞.jpg


タグ:ブルース
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